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2019.11.12

山梨県へ日本建築研修旅行。2日目は大雨で急遽予定変更!(長岡)

2019.11.12

Category: トピックス

前日、清白寺の拝観中に雨が降り出し、その後本降りに・・・
2日目は雨の中での研修旅行となりました。


【2日目の日程】
大善寺
 ・本堂(国宝)
 ・薬師如来像、日光・月光菩薩像(国指定重要文化財)
 ・山門(県指定文化財)

久保田一竹美術館

東山旧岸邸

身延山に参詣する予定でしたが・・・大雨のため断念。
急遽、予定変更して御殿場まで足を延ばし、吉田五十八設計の旧岸信介邸を訪ねました。

 


〇大善寺 山門

参道の階段を上り、まず出迎えてくれたのがこちらの山門。





1704年建立の山門が焼失した後、1798年に再建された二層屋根の仁王門です。

〇大善寺 本堂





山門から続く階段を登りきると、本堂が目の前に!
薬師三尊像を安置していることから、「薬師堂」とも呼ばれています。




△大善寺 本堂

雨で霞がかる中に、迫力ある檜皮葺の屋根が浮かび上がっていました。
築720年以上が経過しているそうです。




△楽屋堂にて

幸い、本堂の前の楽屋堂に入れていただけたので・・・
降りしきる雨を避けて、事前に用意していた図面と実物を見比べることができました。

「屋根の引き渡し勾配は6.5寸、宝形に近いけど大棟が短い寄棟だね。寺院伽藍の寄棟屋根は振り棟にすることが多いけど、この本堂の隅棟は軒に対して45度だ」

「軒は二重垂木で、地垂木の勾配が3寸で飛檐垂木の勾配は1寸6分5厘か・・この勾配の差がどのように見えるのか?よく覚えておいてね」

「軒付が二段になっている。茅負の反りは少ないけど、軒付の増しで軒を反り上げている」

図面を見ながら菅野が解説し、それを検証しながら目の前の日本建築を観察する・・・
菅野企画設計の研修旅行ならではの時間でした。

事前に予約をしていたので、本堂の中は住職による解説付きで拝観させていただけました。

 

〇東山旧岸邸(設計:吉田五十八)

元首相、岸信介の自邸として1969年に建てられました。

数寄屋の名手、吉田五十八が設計した邸宅です。
吉田五十八らしく、塩化ビニルやアルミといった工業生産品をおしゃれに使いこなしていました。



△和室

障子の鴨居に吊束がないのは、欄間障子のめしあわせ部分に細いステンレス棒が仕込まれているため。

軽快な和室を造り出すための工夫を確かめることができました。



△玄関ポーチの柱を測定中・・・

研修旅行に欠かせないアイテム・・スケールの登場です。
「玄関の柱、いい感じだね。太さ、面の大きさ、沓石の幅、高さを計ってみてよ」

館のスタッフや他の見学者の視線も気にせず・・・あちこちをスケールで採寸。
「うちの設計は沓石が高すぎる。この寸法を記憶しておこう」

実際に見て測って得た感覚を、設計にも活かしていきます!

雨の影響で、急な予定変更もありましたが、今年の研修旅行も充実した内容で終えることができました!

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