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2019.8.27

岐阜市の浄土宗西山禅林寺派 大泉寺の本堂耐震補強工事が開始(前嶋)

2019.8.27

Category: 耐震補強

岐阜市の浄土宗西山禅林寺派 大泉寺の本堂耐震補強工事が始まりました。

昭和4年(1929年)建立、間口6間の入母屋造り屋根、瓦葺きの伝統的な木造本堂です。

事前の調査で、柱の傾きは確認されたものの、目視で確認する限り構造材の劣化は見られませんでした。

しかし、耐震診断を行った結果は、震度6強以上の地震では「倒壊の恐れがある」。

この結果を受け、お寺で検討会が催され、補強工事を行うことが決まりました


工事は、岐阜県海津市の伊正建設株式会社にお願いします。

 


 
 


梅雨明けを待って、瓦の撤去、部分解体作業が始まりました。

事前の目視調査で、部材に目立った劣化が見られなくても・・・
解体に伴い、致命的な欠陥が姿が現すことが多々あるので、

工事を監理する者としては、緊張します。




足場に登り、雨が吹き込みやすい軒先を間近で確認したところ、腐食しているところが見つかりました。
早速、大工と相談して、補修することにしました。

幸いなことに、構造材の「梁」や「桔木(はねぎ)」等には今のところ大きな劣化は見つかっていませんが・・・

耐震改修では決して、臭いところに蓋をするわけにはいきません。
緊張感をもって、さらにチェックを進めます。

 

解体に伴い・・・ 少し変わった施工が見つかりました。

伝統的な入母屋造り屋根の妻面(つまめん:三角形の屋根の先端部分)には、箕甲(みのこう)と呼ばれる反りを入れます。

通常は、下地材を加工してその形状を造り出しますが・・・
大泉寺本堂では、曲がった梁を利用して箕甲のカーブを造り出していました。







大工や職人たちの工夫や知恵をうかがい知ることができるのは、耐震補強ならではの面白さです。

工事はまだまだ始まったばかり。

改修工事は、想定外が見つかるとすぐに、「どのように改修するのか?」を判断し、工事を進めなければいけません。

現場監督や職人と相談しながら、最善の策を探っていく作業が続きます。

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