設計行脚設計行脚

2019.8.6

龍がのたうち、イルカが笑い、天女が微笑む!一風変わった日本建築(菅野)

2019.8.6

Category: トピックス

神奈川県で、一風変わった日本建築を造ります。

建物のデザインは既に終え、只今工事の真っ最中ですが・・・今回は、もう一つ大きなお役目をいただきました。

建築を装飾する彫刻やエッチングガラスの制作です。

寺院、神社、城など日本建築には、木の彫刻家、金属の彫刻家、鬼師や画家たちが、その装飾にかかわってきた歴史があります。

私も以前から、アーティストたちとのコラボレーションを寺院建築で試み、お客様に喜んでいただいています。

今回の建築主は、東京に本社を構える大手企業。弊社の実績を評価して、ご依頼いただきました。


建築の完成は来年春の予定ですが・・・
アーティストたちの仕事は終盤を迎えています。


担当者の皆様に作品をチェックしていただくため、広い駐車場を借り・・・
先ず、龍の木彫刻を並べ、2階建て建物の屋上から見渡してもらいました。



△写真は彫刻の半分です

建物は鉄骨造平屋建てで、大ホールは屋根の勾配を活かした船底天井です。
その斜め部分に、長さ14m×幅90cmのケヤキ製の彫刻を飾ります。

モチーフは、波の中を勇猛にのたうつ五頭の龍です。

彫刻は神奈川県在住の彫刻家に依頼しましました。
この彫刻家とは多くのお寺でコラボしており、特に海老名市の海源寺本堂は出色です。

担当者の皆様には今まで、制作の途中経過を見ていただいたはずなのに・・・
全容を前にして、口から洩れたのは「これはすごいなあ!!」

 

次は、楼門の大棟の上に乗せるイルカを見てもらいました。

楼門の大棟には普通、鬼瓦やシビを乗せますが・・・海が近く、子供にも親しんでもらおうという建築主の粋な計らいです。

新潟県在住の彫刻家に制作をお願いしました。
この彫刻家とも、今まで多くのお寺でコラボしてきました。とても器用で、センスのいいアーティストです。

例えば、大和郡山市の額安寺 施無畏与願印の木彫刻、瓔珞風の飾り、屋根の棟飾りは全て彼の作品です。

イルカは銅を叩いて造形し、金箔を捺して仕上げてもらいました。

まるで腹をよじって笑っているようです。
このイルカが棟の上にいたら、子供でなくても笑顔になりますよね。



楼門1階の天井四隅には、ウミガメが泳ぎます。

この木彫刻も、同じ彫刻家にお願いしました。
彼の奥様も木彫刻家で、芸術大学で教鞭をとっていらっしゃるので、学生たちも制作を手伝ってくれているとか。



寄木した木曽桧から、いろいろな姿勢で泳ぐ4頭を彫り出しますが・・・まだ、製作途中です。

「多くの人が集まるところなので、絶対に落下しないように」
建築主よりきつく言われているので、彫刻の中を繰りぬいて軽量化した上、天井から鉄筋で支えます。

 

そして最後は・・・
暴れる五頭の龍を鎮めたという、伝説の天女。

楼門の両側の窓に、天女をエッチングしたガラスをはめ込みます。

下絵は、神奈川県在住の日本画家にお願いしました。
彼女の奔放な色使い、流れるような線が大好きで、何度も個展へ足を運んできました。

建築でのコラボは、アーティストの作品が優れているだけでは不十分です。

何より欠かすことができないのは、私やお客様の要望にも柔軟に応えることができる人格と才能です。
彼女はその点申し分なしと判断し、採用に踏み切りました。



実は最初、下絵のテーマは弁天様でしたが・・・途中から天女に。

下絵の制作がかなり進んでいたので、
思い切った変更に、はたして対応してくれるだろうか?と心配しましたが、快く応じてくれました。

エッチングをお願いする愛知県岡崎市の中日ステンドアートに何度も足を運んでもらい、担当のスタッフたちと打ち合わせを重ね、部分的なモックアップも3枚作りました。

6月にはBSフジの「ブレーク前夜」に出演するなど、彼女への注目度もどんどん上がっています。


この建物が完成すれば、どなたでも見ることができます。
見どころ満載、盛りだくさんの一風変わった日本建築です。乞うご期待!

記事一覧