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2017.4.25

臨済宗 旭王寺の鉄骨造本堂。伝統的に仕上げる工夫(伊藤知)

2017.4.25

Category: 本堂新築

瑞浪市の臨済宗 旭王寺の、本堂・位牌堂(鉄骨造平屋建て、床面積229㎡)の新築工事が順調に進んでいます。

実は、ご相談をいただいたのは7年近く前のこと。
「ようやくここまでたどり着きました」と、住職は感慨深げです。




現在現場では、屋根瓦葺工事が完了し、内部の造作工事に取りかかっています。

境内は、丘陵地の中腹で湿度が高い場所にあるので・・・
「本堂の構造は、鉄骨造でお願いします」と住職。

「でも、外観は伝統的な木造本堂のようなデザインで、堂内には少しでも多く無垢材を使ってほしいんです」

 
着工前は、道路が狭い上に曲がり角が多かったので、工事車両の進入路が確保できませんでした。
そこで、建築工事に先立ち、造成・進入道路整備工事を行なう必要がありました。

限られた予算のなかで、造成工事や進入道路を整備した上で、住職の希望を叶える方法は?
常識にとらわれず、いろいろなアイデアをひねり出しました。



例えば、右の写真は・・・本堂の軒裏です。

裏甲の先端まで2.1mの軒裏を、杉の小節板を貼り上げました。とてもきれいな仕上りです。

通常の木造本堂の軒裏は、化粧垂木が並ぶのに・・・これでは、工事費は抑えられるとはいうものの、まるで住宅ような外観になってしまうのでは?

そこで、こんな工夫をしてみました。。。。





 
鼻隠しを茅負に見立てて、天端に反りをつける。また、裏甲の出隅も、通常より大きめの増しをとる。

これで、少し優しめの曲線ではありますが・・・お寺らしい軒ぞりができるはずです。

軒裏が水平な板張りなのに、お寺らしい軒反り!?

工事を担当している(株)中島工務店の加納棟梁も、設計意図をくみ取って・・・「やってみましょう!」

新しい方法に挑戦してくれました。果たして、その出来は?


 

外部足場が外れし、本堂の外観が姿を現しました。

「屋根の形、良いですね。」と住職も喜んでくれました。
「ありがとうございます。」
うまくいったようです!!

このあと、外壁の腰に桧板を貼り、浜縁を仕上げれば・・・
間違いなく、伝統的な木造本堂風の外観になるはずです。

本堂は7月完成の予定です。

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