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2025.4.8

既設建物をうまく活用して、コストを抑え歴史を引き継ぐ~納骨堂編~(前嶋)

2025.4.8

Category: 納骨堂

納骨堂のご相談が増えています。
納骨堂整備は檀家に負担をお願いすることが難しいため、予算を抑えた計画が必要です。
ひとつの方法として、既設建物の活用があります。

 

例えば、常滑市の法通寺様の納骨堂新築工事。
シンプルな切妻屋根の上に立派な屋根が乗っています。



実はこの屋根は、旧太子堂の再利用なのです。


太子堂は老朽化が進んでいて、住職は解体するおつもりだったのですが・・・
屋根は伝統的工法で造られている上に状態も良かったので、残すことをご提案しました。



建て方時の写真です。堂々とした屋根が印象的です。

この屋根を一から造れば、かなりの費用が必要ですが・・・
再利用することで予算を抑えつつ、お寺の歴史も感じられる建物となりました。

 


一宮市の即得寺様の場合は、鉄筋コンクリート造2階建て本堂の1階部分をリノベーションして、納骨堂に整備しました。


以前は、倉庫として使用されていました。

梁下の高さが2.1mしかなかったので、その梁を露出した斜め天井をデザイン。
連続性のあるリズムカルな空間に仕上がりました。



エントランスにはタイル張りの壁を建て、「倶会一処」のステンレス文字を入れました。


既設建物を新たな空間につくりかえるには、アイデアとデザイン力が必要ですが・・・工事費を抑え、歴史を引き継ぐことができる、やりがいある仕事です。

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