スタッフBlog

2019.7.9

静岡県で床面積1200㎡の木造こども園!枝つき丸太の木材検査(植松)

2019.7.9

Category: 認定こども園

静岡県磐田市 圓通福祉会の認定こども園を新築しています。
園舎は木造二階建て準耐火建築物で、床面積は約1200㎡です。

工事は、入札の結果、掛川市に本社を構えるコスモ建設株式会社にお願いしています。


磐田市の木材納入業者 (株)スカイを訪ね、木材検査を行いました。

園舎には無垢の桧・杉柱や梁の他、大空間をつくるために大断面の構造用集成材も使用します。

まずは、無垢材の柱や梁の検査。
現場監督とコスモ建設の担当者1名、棟梁そして、園長と伊藤、私が検査を行いました。

構造用集成材はJASの認定材ですが・・・無垢材のほとんどは、JASの認定を受けていません。

JAS材とは、指定の寸法が確保され、強度・含水率が定められた基準内であることが検査で確認された材なので、構造用集成材の木材検査は、JAS認定ラベルをチェックします。

が!無垢材は、強度も含水率も未知の材・・・
そのため、強度試験と含水率のチェック、寸法の検査を現物で行います。




強度試験は、打診計測法で行います。

材の小口に携帯型木材診断計を当て、反対側の小口を3回叩くと・・・ヤング係数などが測定できます!
柱、梁の中から3本ずつ抜粋し、測定を行いました。

含水率検査は、材の両端と中央に含水率計を当て計測・・・それを2面行い、6か所の平均値にてその材の含水率を算出します。

強度試験同様、各部位より3本ずつ抜粋した材をそれぞれ計測しました。
指定の数値が得られなかった材については取替。
また、他の材についても社内で検査し、その結果の報告を指示しました。

 

数日後、菅野も加わり、枝付丸柱の検査を行いました。

枝付丸柱は、園庭に沿って設ける回廊テラスと遊戯室の見どころのひとつ!

一般に流通していないとはいえ・・・あるところにはあるものです。

奈良県の徳田銘木が枝付丸柱をたくさん持っているという情報を得て・・・伊藤と共に、事前確認。

すると、広い倉庫の中に一枚板、変木、北山杉・・・様々な銘木が所狭しと並んでいます。
その豊富さに驚くと共に・・・なかなかお目にかかれない逸品にもテンションが上がります!
お目当ての枝付丸柱もたくさんそろっていました!




数ある中で、構造上必要な材寸を確保しつつ・・・良い枝ぶりの柱を2本選定しました。

その2本が奈良から磐田の地に運ばれてきました。

枝付丸柱も園舎の構造を担うので、強度試験を行った結果、非常に高い数値が確認できました!




「遊戯室用の柱はこんなに太いんだから、できるだけ根元から使いたいよね!」
「テラスの柱は、この辺りの枝ぶりが目立つように・・・」
「こどもや職員がケガをしないように、下の方の枝は短くして。」

枝つき丸太は必要以上に長いので・・・
園長の意見をお聞きしながら、どの部分をカットして使うのか?も検討しました。

木材がどんな様子で納まるのか?イメージ通りにいくのだろうか?
ドキドキですが楽しみです!

記事一覧