2016.10.4
本堂の柱はケヤキ?ヒノキ?それが問題だ(菅野)
2016.10.4
Category: 本堂新築
菅野企画設計が設立して最初の本堂設計は、名古屋市東区の関貞寺様です。1989年のことです。
住職は私と同い年で、これからのお寺を造ろうという強い意志をお持ちでした。
まだ、30歳代前半で、志の高い傑僧にお会いでき、一緒に仕事をさせていただけたことは、何にも勝る財産になりました。心より感謝しております。
当時、名古屋市周辺で新築される本堂に、無垢のケヤキを使うことはほとんどありませんでした。
ケヤキが高価だったことと、割れを極端に嫌ったためです。
当時はまだ、堀川沿いに銘木店が軒を連ねている時代で、名古屋は単板を張る技術に優れていました。
虹梁は唐草を彫る面だけ厚板を張り、そのほかは薄板を張っても、そのつなぎ目が全く分かりませんでした。
ところが関貞寺の住職は、
「菅野さん、ケヤキは割れるものだよ。逆に割れたら、無垢だということがわかるからいいじゃないの」と、無垢のケヤキを使う決断をされました。
完成した本堂は評判になり、関貞寺本堂のおかげで、その後たくさんの仕事をいただくことができました。
最近は、木材が当時より安くなったこともあり、無垢のケヤキを使うことも珍しくなくなりました。ただ・・・
「ケヤキは割れるものだよ。逆に割れたら、無垢だということがわかるからいいじゃないの」ではなく、
「ケヤキが割れるのは、生木を使っているからだ」とおっしゃる方も。
こう言われてしまうと、正直頭が痛い。今までたくさんのケヤキを使ってきましたが・・・杢目がおとなしいこと、よく乾燥していることが、必ずしも割れないことにつながらないからです。
それに比べると、桧は割れる可能性が低い。もちろん皆無ではありませんが・・・。
静岡県掛川市の龍登院様の本堂は、総桧造りです。
桧には、ケヤキがもつ荒々しさとは違う優しい表情があり、心が癒されるような香りもあります。
住職と建設委員の皆様は、温かく包んでくれる優しい本堂が造りたいというご希望だったので、桧造りの本堂をとても喜んでくださいました。
ケヤキと桧の柱。割れる危険性だけでなく、いろいろな面から検討して・・・どちらを選ぶべきなのか?
それは住職と檀家の代表である建設委員の皆様の決断です。
住職は私と同い年で、これからのお寺を造ろうという強い意志をお持ちでした。
まだ、30歳代前半で、志の高い傑僧にお会いでき、一緒に仕事をさせていただけたことは、何にも勝る財産になりました。心より感謝しております。
当時、名古屋市周辺で新築される本堂に、無垢のケヤキを使うことはほとんどありませんでした。
ケヤキが高価だったことと、割れを極端に嫌ったためです。
当時はまだ、堀川沿いに銘木店が軒を連ねている時代で、名古屋は単板を張る技術に優れていました。
虹梁は唐草を彫る面だけ厚板を張り、そのほかは薄板を張っても、そのつなぎ目が全く分かりませんでした。
ところが関貞寺の住職は、
「菅野さん、ケヤキは割れるものだよ。逆に割れたら、無垢だということがわかるからいいじゃないの」と、無垢のケヤキを使う決断をされました。
完成した本堂は評判になり、関貞寺本堂のおかげで、その後たくさんの仕事をいただくことができました。
最近は、木材が当時より安くなったこともあり、無垢のケヤキを使うことも珍しくなくなりました。ただ・・・
「ケヤキは割れるものだよ。逆に割れたら、無垢だということがわかるからいいじゃないの」ではなく、
「ケヤキが割れるのは、生木を使っているからだ」とおっしゃる方も。
こう言われてしまうと、正直頭が痛い。今までたくさんのケヤキを使ってきましたが・・・杢目がおとなしいこと、よく乾燥していることが、必ずしも割れないことにつながらないからです。
それに比べると、桧は割れる可能性が低い。もちろん皆無ではありませんが・・・。
静岡県掛川市の龍登院様の本堂は、総桧造りです。
桧には、ケヤキがもつ荒々しさとは違う優しい表情があり、心が癒されるような香りもあります。
住職と建設委員の皆様は、温かく包んでくれる優しい本堂が造りたいというご希望だったので、桧造りの本堂をとても喜んでくださいました。
ケヤキと桧の柱。割れる危険性だけでなく、いろいろな面から検討して・・・どちらを選ぶべきなのか?
それは住職と檀家の代表である建設委員の皆様の決断です。