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2019.1.15

岡崎市羽根稲荷神社の改修工事。古材を残して歴史や技術を後世に(前嶋)

2019.1.15

Category: 神社

愛知県岡崎市 羽根稲荷神社の『拝殿』『門』『袖塀』『渡殿』の改修工事が進んでいます。

工事は競争見積もりの結果、愛知県江南市に本社を構える(株)アイチケンにお願いしています。




『拝殿』の屋根瓦と葺き土を取り除くと、『杉薄板』を敷き詰めた野地が現れました。

通称トントン葺きといわれているもので『杉薄板』『和釘』で止付けてありました。


『和釘』は明治中期(1800年代後半)まで使われていました。この『拝殿』は嘉永7年(1854年)に建設されたため、おそらく新築当初から下地の改修はされていないと推測されます。

今回は瓦を土葺きから乾式に葺きかえるため、『杉薄板』はすべて撤去し杉荒に張り替えます。

 



『杉薄板』を除去すると、『野垂木(のだるき)』『裏甲(うらご)』『茅負(かやおい)』など、屋根部材が姿を現しました。

部分的な劣化はあるものの、比較的良い状態です。

『できるだけ古い材は残して、改修してほしい』

神社からご要望をいただいているので、屋根部材は部分的な補修、取り換えで作業を進めることとしました。

 





『鬼瓦』も再利用できないか?

瓦を屋根から降ろして、打音検査を行いましたが・・・

残念ながら、劣化が進んでいたため、再利用は断念。記念碑として、境内に残すことになりました。

その代わり、大棟に嵌め込まれていた『棟込瓦』の状態がよかったため、再利用することにしました。

 

神社仏閣など、歴史を重ねた建物の改修工事では、
「古い材をできる限り残して欲しい」というご要望をよくいただきます。

古い材を残すことは、歴史や技術を後世に伝えるという意味でも大変重要なことです

ただ、そのためには・・・
私たちが解体と調査を繰り返しながら、何をどのように残していくのかを判断し、
造り手たちが手間を惜しまず作業する必要があります。

経験と知恵が生かせる!このような作業に従事できることをうれしく思っております。

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