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2022.5.10

東京都渋谷区の真宗大谷派 諦聴寺で本堂耐震補強工事、「建て起こし」のタイミング(川島)

2022.5.10

Category: 耐震補強

東京都渋谷区の真宗大谷派 諦聴寺で、木造本堂の耐震改修工事が順調に進んでいます。

施工は、石川県能美市の松浦建設(株)にお願いしています。

 

耐震力を向上させるため、主として次の2つの工事を行います。

①土葺きの瓦を除去して、ビス止めで瓦を葺き直し、建物の荷重を小さくする。

②荒壁パネルや格子パネルなどで壁を補強する。

 

先ずは、瓦の葺き替えに取り掛かりました。



瓦は大量の土を使って葺かれていたので、瓦と土をすべて撤去し・・・
野地板の上にゴムとアスファルトを積層した防水シートを敷き込みました。

屋根が軽くなったところで・・・「建て起こし」を行いました。
地震や台風、接合部のゆるみなどが原因で傾いた柱を垂直に戻す作業です。




土台と桁にワイヤーを繋ぎます。

基準となる柱に下げ振りをおろして傾きを確認しながら、ワイヤーに力を加えて引っ張ります。
柱や梁には癖がついているので、「建て起こし」は一気には進みません。

1日おきに引張る力を強くしていき、2週間かけて目標値の傾きまで矯正しました。

その後、耐震壁や火打ち梁などで、柱の癖が戻らないように固定。
そして・・・瓦を葺き直した後、ワイヤーの力を抜きます。




現場監督や棟梁が順序良く作業を進めてくれたおかげで、「建て起こし」工事がスムーズに完了しました

耐震補強工事では、補強だけでなく、「建て起こし」「根継ぎ」「土台の取り換え」「梁の取り換え」なども必要になります。そのため、工程を練ってから作業を進める必要があります。

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