2019.4.2
伝統日本建築の設計技術を、古民家再生や和風住宅・店舗に活かす(川島)
2019.4.2
Category: 山門・鐘楼新築
愛知県北名古屋市の曹洞宗 観音寺様で、山門・秋葉堂・水屋・屋外便所の建て替え工事が終了しました。
相談を受けたのは2年前の3月。
当初住職は「秋葉堂と山門を建て替えるだけでいい」と、おっしゃっていましたが・・・
設計を始めると
「秋葉堂の虹梁(こうりょう)を再利用してほしい!」
△旧秋葉堂
そこで、新秋葉堂の柱に組み込むことにして、虹梁の長さや断面寸法を実測しました。
△新秋葉堂
ところが、丁寧に活かし取りしたのに、その後大きくひねってしまいました。しかし・・・
少々手間取ったものの、さすが宮大工!取付の角度を調整して、きれいに仕上げてくれました。
次は、「山門土間の縁石を再利用してほしい!」
△旧山門
△新山門:旧山門と同じ薬医門です。
ところが、縁石の長さは一本一本違います。
そこで、新山門の土間形状に合わせて、最適な配置を考えた結果、7本の縁石を再利用することができました。
山門の屋根は、桟瓦から本瓦葺き風の“飛鳥瓦”に変わり、重厚な佇まいになりました。
軒先の丸瓦には「六」の文字をあしらいました。この字は住職の直筆を型どりしました。
山門右手の石碑も水と薬品で洗い、生まれ変わりました。
山門と秋葉堂の設計が終盤に差し掛かり、いざ見積りへというタイミングで今度は、
「手水舎と屋外便所も建て替えようと思うんだけど、お願いできますか?」
△旧手水舎:参道から離れていて使いづらかった。
△新手水舎:参道脇に配置。手水石は再利用し、鋳物の龍の吐水口を設けました。
△引渡し前の検査。
完成した伽藍は、住職と役員の皆様から高い評価をいただくことができました。
菅野企画設計は、日ごろから伝統的な日本建築を手掛けているため・・・
木材をふんだんに使い、職人が造る建物の設計監理が得意です。
そして、この技術・経験を、古民家再生や和風住宅、店舗の設計に活かしています。