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2017.9.26

部屋境は障子?襖?・・・選ぶ際のポイントは?(大江)

2017.9.26

Category: 知って得する和の技

岡崎市のお寺の客殿を設計しています。
客殿は、参拝者の皆さんが食事をしたり、法要の順番を待つ部屋として使われます。
宗派によっては書院(しょいん)、お斎場(おときば)、お非時場(おひじば)とも呼ばれます。

客殿のインテリアパースを作成しました。
廊下境の建具を襖で描いていると・・・・
リーダーの前嶋が「障子でもいいんじゃない?」
「なるほど。障子というアイデアも・・・」

 
部屋境を襖にするメリットは・・・

〇調湿機能がある  〇保温機能がある

でも、これは昔のお話。菅野企画設計が設計する日本建築は、断熱・気密性能に優れていますし・・・無垢の柱や自然素材をふんだんに使うので、調湿機能にも優れています。
襖に調湿、保温機能を期待しなくても、部屋の中は充分快適です。

〇襖紙のコーディネートが楽しめる

これは大きな魅力です。以前、設計を手がけた古民家再生では、離れの襖に銀紙を貼りました。
なかなか幽玄な仕上がりで、お客様も大満足でした。



△銀紙を貼った襖
 
障子にするメリットは・・・

〇優しい明りが得られる  〇桟のデザインが楽しめる



△桟を縦長にした障子

障子は、海外のデザイナーの間でも、日本建築の大きな魅力としてとらえられています。
例えば・・・
東京駅近くのホテル、東京アマンのインテリアはケリー・ヒルアーキテクツがデザインしました。
このホテルのロビーの天井は、26m以上の吹き抜けですが・・・
明らかに障子をイメージしたデザインです。


△東京アマン
というわけで・・・
襖、障子それぞれにいいところがあります。

そこで、障子と襖、二種類のインテリアパースを描きお客様にお見せしました。
この客殿は廊下越しに庭に面しているので、襖は源氏襖にしてみました。
源氏襖は、襖の一部に採光用の障子を仕込みます。



結果は・・・障子バージョンが採用されました。

「少しでも明るい方がいいと思いますので・・・」と住職。
ただ・・・
「正面の内仏の脇には床の間か違い棚をデザインしてもらえませんか」と要望をいただいたので、現在、新たなインテリアパースを作成中です。


 

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