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2016.11.1

菅野企画恒例の日本建築研修 今年は和歌山へ(伊藤絵)

2016.11.1

Category: トピックス

菅野企画設計では毎年、スタッフ全員で研修旅行に出かけます。
研修旅行は原則的に一泊で、日本建築に的を絞って見学します。

ちなみに去年は、奈良へ行きました。
見学した日本建築は  1日目→唐招提寺など  2日目→金峰山寺蔵王堂などでした。

今年は和歌山!!
1日目は弊社設計の有田市心光寺→長保寺→黒江のまち
2日目は根来寺→観心寺→一休寺
と充実した内容。

そうです。今回は和歌山といいながら、大阪と京都へも足を伸ばしました。
ただ、移動時間が長い、長い(笑)

数々の寺院を巡った中でも、印象的だったのが根来寺の大塔(国宝)。
前日見学した、海南市 長保寺多宝塔(国宝)に比べると、その大きさが際立って見えます。
お寺の行事のため、中をじっくり見学できなかったのが悔やまれますが、その外観だけでも一見の価値がある建物です。




この伽藍が建てられたのは、16世紀中頃。
その当時の日本の巨大木造建築の技術力の高さを、改めて思い知らされます。

それに対して、何とも言えない気持ちにさせてくれたのが、観心寺境内に建つ『建掛塔(たてかけのとう)』



冗談のような名前ですが。正式名です。

この塔は、楠木正成が三重の塔の建立を計画したものの戦死したため、今でも『建掛塔』
この塔はまさに建て掛けで、1層部分しかないのです。

それがよくわかるのがこちらの写真。


赤円の中にある横材に角材を嵌め込む溝が彫られているのがわかるでしょうか?

ここには、本来なら下の写真のような部材(支輪)が入ります。




溝を彫ったのに、次の工程には進まず・・・突然、工事がストップしたことがよくわかります。

長保寺の多宝塔の組み物が二手先なのに、『建掛塔』は三手先なので、軒をより深くする計画だったのでしょう。
もし、完成していたら…その雄姿を見てみたかった気もしますが、これはこれでいいのかも、とも感じます。

弾丸日程のため、すべての建物をじっくり見ることができなかったので、機会を見つけてまたゆっくり訪れたいと思いました。

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