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2019.3.26

破風の長さ7.5m、11m!大きな唐破風屋根の設計が続いています(菅野)

2019.3.26

Category: 知って得する和の技

唐破風の設計が続いています。

唐破風設計の経験はたくさん持っていますが・・・
最近手がけた法蓮寺妙見堂の唐破風の長さは7.5m、名古屋東別院は11m!!

こんな大きな唐破風をどうやってデザインしているのか?
ものの本には、いろいろなルールが書いてありますが・・・
正直、机上の知識はあまり当てになりません。信頼すべきは自分の感性のみ。

日本建築の設計士にとって何よりありがたいのは、過去の実例がたくさんあること。
しかし、自分の好みにあうデザインは、そうそうあるものではありません。
何しろ実例をたくさん見て、これはというものを発見し、わが身につけることが必要です。

感動して、考えて、研究して・・・自分の感性になった時、初めてオリジナルに到達する。
言葉ではわかっていても・・・

「死ぬまで修業ですよ」以前お世話になった虎渓山永保寺の田中義峰老師の言葉が蘇ります。

 



写真は、完成間近の愛知県一宮市の日蓮宗 法蓮寺様の妙見堂。旧伽藍のデザインを踏襲した、唐破風向拝です。

柱の上の湾曲した古色の梁は・・・旧妙見堂からの再利用です。

この唐破風の特徴は、中央の彫刻、兎の毛通しが際立って大きいことです。実は、旧妙見堂も同じでした。

私は、そんなバランス感覚も大切に思っていて、親しまれてきた伽藍の記憶を、後世に残すデザインにも心がけているつもりです。

 



真宗大谷派名古屋別院の参拝接待所を増築します。

工事は競争見積もりの結果、郡上市に本社を構える澤崎建設(株)にお願いしています。

玄関を唐破風屋根でデザインしました。棟の高さは、境内から約8mです。

先日、棟梁の工場で原寸検査を行いましたが・・
「大きすぎて、とても実感が湧かないよ」
ということで、原寸大の唐破風を作って、6mの高さに設置してもらいました。

「破風尻がちょっと細い気がする。もう少し太くできないかなあ」



「材料に余裕がありません」は、現場監督。

工場に寝かせた大きな板に、原寸図が貼ってあります。
「破風尻を跳ね上げたいけど・・・これじゃあ無理だね」

そこで・・・
「じゃあ、出隅の裏甲と切裏甲の増しを大きくして、勢いを出そう」
「なるほど。わかりました。じゃあ、材料の許す限りで増しを大きくします」は松下棟梁。

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