2020.4.14
歴史を重ねた寺院建築の改修工事、古材はできる限り残すこと(前嶋)
2020.4.14
Category: 耐震補強
菅野企画設計では、これまで数多くの寺院建築の改修工事を手掛けてまいりました。
現在も「9棟」の設計及び工事監理が進行中です。
改修の際、気を付けていることの一つが『できる限り古い材を残す』ことです。
築200年以上を経た伽藍を改修することもありますが・・・
その頃は、山から木を切って運搬し、加工するのに大変な労力を必要としたはずです。
使わている材をよく見ると・・・
手斧(ちょうな)や鉋(かんな)、大鋸(おおが)で加工した跡が残っていたりします。
歴史を残す意味でも、無駄な取替えは避けるべきです。
それでも、どうしても取り換える場合は、意匠を踏襲して新しくします。
例えば、先日完工した岡崎市真宗大谷派 本光寺の山門(登録有形文化財)改修工事では・・・
破風板(はふいた):劣化が激しい下端のみ、部分補修。
懸魚(げぎょ) :虫食いが激しかったため、同じ意匠で造り直し。
(逆の北面は補修して再利用)
大鬼(おおおに) :部分補修の上、窯に入れて焼き直して再利用。
軒瓦、掛瓦 :地震に強い乾式瓦に取替え。意匠を残すため、特注で制作。
といった対応をしました。
その結果、このように仕上りました↓
屋根のラインがすっきりしましたが、それ以外の意匠は大きく変化していません。
『きれいになったけど、どこを直したの?」
と言われることもよくありますが・・・。
こう言っていただけるのがいい仕事の証かもしれません(笑)
現在も「9棟」の設計及び工事監理が進行中です。
改修の際、気を付けていることの一つが『できる限り古い材を残す』ことです。
築200年以上を経た伽藍を改修することもありますが・・・
その頃は、山から木を切って運搬し、加工するのに大変な労力を必要としたはずです。
使わている材をよく見ると・・・
手斧(ちょうな)や鉋(かんな)、大鋸(おおが)で加工した跡が残っていたりします。
歴史を残す意味でも、無駄な取替えは避けるべきです。
それでも、どうしても取り換える場合は、意匠を踏襲して新しくします。
例えば、先日完工した岡崎市真宗大谷派 本光寺の山門(登録有形文化財)改修工事では・・・
破風板(はふいた):劣化が激しい下端のみ、部分補修。
懸魚(げぎょ) :虫食いが激しかったため、同じ意匠で造り直し。
(逆の北面は補修して再利用)
大鬼(おおおに) :部分補修の上、窯に入れて焼き直して再利用。
軒瓦、掛瓦 :地震に強い乾式瓦に取替え。意匠を残すため、特注で制作。
といった対応をしました。
その結果、このように仕上りました↓
屋根のラインがすっきりしましたが、それ以外の意匠は大きく変化していません。
『きれいになったけど、どこを直したの?」
と言われることもよくありますが・・・。
こう言っていただけるのがいい仕事の証かもしれません(笑)