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2024.5.21

愛知県の真宗寺院から本堂耐震診断の依頼。その巨大さに圧倒されました(中村)

2024.5.21

Category: 耐震補強

愛知県の真宗寺院から本堂の耐震診断を依頼され、現況調査を行いました。
このお寺からは、客殿・庫裡新築工事の設計も依頼され、現在進行中です。

本堂は築約200年で、間口8.5間×奥行9間の広さ。
屋根は伝統的な入母屋造りの本瓦き。本堂の西側には書院と大玄関が連続しています。
さらに虹梁、蟇股、組み物などの装飾も美しい豪壮で華麗な造りです。


現況調査は5名のスタッフで行いました。
間取り図、断面図を作成するため・・・
本堂内では2名が柱のサイズや柱間と、鴨居や虹梁の高さなどを計測しました。
また、柱の傾きや床の不陸を実測しました。

耐震診断をするためには、構造要素の調査が欠かせません。
2名が小屋裏に上り、床下にもぐり・・・梁や桁、床組み材の寸法を実測すると同時に
蟻害や接合部のゆるみなどの経年による劣化を調査し、記録に残しました。

伝統構法の本堂では、土壁や差鴨居が地震に抵抗する重要な耐震要素なので、
土壁の位置や厚さ、差鴨居の寸法も計測します。

それにしても・・・本堂があまりに大きい!!
調査するべきことが多すぎて、スタッフ5人で二日がかりの作業になりました。



△小屋裏調査のようす

現在は調査した内容を図面化しています。
図面を書きながら、本堂の巨大さと構造の複雑さを改めて実感しています。

作図が終了した後は構造計算、その結果を検討して耐震性能を評価。
耐震力が不足している場合は、耐震補強の指針を提案します。
さらに、現況調査で判明した不具合を記録した写真を添付。
以上を耐震診断報告書にまとめ、お客様に提出します。工事費の概算も口頭でお知らせします!

 

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