スタッフBlog

2020.4.1

只今、本堂設計中。魅力的な伽藍を造るため高野山御影堂を実測(中村)

2020.4.1

Category: 本堂新築

現在、愛知県の日蓮宗寺院の本堂を設計中です。

「今回は、高野山の御影堂を参考にしてデザインしよう」と所長の菅野。
 
そこで
菅野・前嶋と一緒に、御影堂のスケッチ・調査に出かけました。

御影堂のある金剛峯寺は高野山真言宗の総本山です。
高野山内は全て「一山境内地」として金剛峰寺の境内となっています。

そして、広大な境内には、国宝を含む歴史ある伽藍が多く現存しています。



△金剛峰寺主殿


目的の御影堂に行きつくまでにも、多くの伽藍が目に留まり

・この唐破風の桁は、どういう構造になっているのか?
・この裏板の勾配は、地垂木の勾配に合わせているのかなあ?
・この壁に使われている材料はなんだろう?

などと興味は尽きません。




△唐破風の軒裏の様子
 
事前に宗務所で許可をいただき・・・

御影堂では、前嶋と私は計測に当たり、菅野は立面をスケッチしました。


△柱間や軒の出、部材の断面など、現地で計測した寸法は貴重なデータです。


△所長菅野による立面スケッチ

「思ったより緩い勾配なんだなあ」写真で見るのとは違った印象です。
 
これらのスケッチ・計測データを元に、これから設計を進めていきます。

 

作業を終えた後、金剛三昧院の多宝塔(国宝)を見学しました。
 
この多宝塔については、事前に実測図が入手できたので、持参しました。

実測図では、屋根の引き渡し勾配は7寸と急ですが・・・
伽藍を目の当たりにすると、もっと緩く落ち着いて見えました。



△金剛三昧院多宝塔。1223年に建立された、高野山に現存する最も古い建築物です。

1日ではとても全て見切ることはできませんでしたが、世界遺産・国宝級の建物群は荘厳でした。

菅野企画設計は様々な専門書をそろえており、設計の際、参考にしていますが…

できるだけ本物に触れることで、
伝統を取り入れながらも、現代人が魅力を感じるような伽藍の設計に努めています。

記事一覧