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2019.6.18

東京都練馬区の浄土真宗本願寺派 真龍寺新築。歴史をつなぐ組子(前嶋)

2019.6.18

Category: 本堂新築

それぞれのお寺には、永く親しまれてきた理由があります。

建替えるにしても、その歴史と魅力を伝える伽藍にしたい」
そんな皆様の想いを受け・・・

「残せるもの」「再利用できるもの」は、できるだけ新しい伽藍に活かすようにしています。

昨年竣工した東京都練馬区の 浄土真宗本願寺派 真龍寺様『本堂・客殿・庫裡 建替工事』では、『組子欄間』を再利用しました。

 



『組子欄間』は、本堂の内陣と外陣境の垂れ壁に嵌め込まれていました。

「皆様がいつも目にしていた欄間ですし、私も大変気に入っています。再利用できないでしょうか?」と住職。

しかし、本堂の間口を広くしたため・・・同じ場所に転用するには、幅が足りません。

 



そこで・・・
応接スペースの壁に、3枚の内2枚を嵌め込みました。

枠に桧材を使用したので、『組子欄間』の年季の入った色が引き立ちました。

残りの1枚は・・・

 



欄間を斜めにカットして、玄関ホール正面の壁に埋め込みました。

桧板の曲線、違い棚そして、腰に張った和紙で立体的な絵を描いてみました。

この他にも、向拝の「龍」と「獅子」の彫刻を客殿に再利用しました。

歴史あるものを活かせば、きっと次の時代にその魅力が伝わっていくはずです。

 



そして・・・

中庭を望む玄関ホールの窓には、新しい『組子欄間』を飾りました。

伝統模様の「麻の葉」を使って、波を連想させる新しいデザインを考え、組子作家に特注で作ってもらいました。

これから始まるこの伽藍の歴史の中で、新しい魅力のひとつになればと、願っています。

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