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2024.10.22

横浜市の日蓮宗 本長寺で本堂耐震改修「見積り合わせ」で建設会社を決定(川島)

2024.10.22

Category: 耐震補強

横浜市の日蓮宗 本長寺で本堂耐震改修工事が始まりました。
工事は、神奈川県藤沢市の(株)英(はなぶさ)社寺建築にお願いします。

先日、所長の菅野と英社寺建築の工場へ赴き、屋根の妻破風の原寸検査を行いました。
現場では11月から、瓦の撤去工事が始まります。




今年の5月初旬
住職と総代の皆様立会いのもと、現場説明会を行いました。
見積りを依頼する4社の建設会社に順番にお寺へ来てもらい・・・見積依頼書と設計図を渡し、工事内容の説明。その後、本堂を案内しました。

4社の建設会社については事前に、実績と会社概要、経営状況を調べ、今回の工事を安心して任せられることを確認済みです。

「同じ説明を建設会社の数だけ繰り返すのは大変ですね」と総代の皆様。
しかし各社同じ条件にしないと、見積り書の中身に違いがでてしまいます。



△住職と総代立会いのもと、設計図を詳細に説明しました。

現場説明会の後、1社が見積りを辞退。
他の3社は約束通り、1ヶ月後に見積書を提出してくれたので、住職と総代立会いの下、開封しました。

その後、各社の見積書とにらめっこして、
・見積り抜けがないか
・数量、単価は適正か
・図面の仕様通りに見積りされているか 等々
Excelの表に一つ一つデータを入力してチェックしていきました。

A社は・・・最も低い金額を提示してくれましたが、境内の養生費が他社よりも少なかったので、考えを聞いた上で、安全に工事ができるように修正してもらいました。

B社は・・・仮設費用が他社と比べて1000万円も高く見積もられていました。
その主な原因は、内陣・外陣の貴重な天井画の保護養生費でした。設計時の調査の結果、天井画は取外しができないことが分かったので、十分な保護養生をするように設計図で指示してあったのです。




C社は・・・A社と比べて合計金額が2割以上高い見積りでした。
内訳を調べてみると、大工の手間賃が3倍の金額になっていました。

各社の見積り書を比較検討して、疑問点や修正が必要だと思われる個所を指摘。
その結果を踏まえた修正見積り金額をわかりやすく、表にまとめました。

再度、住職と総代の皆様に集まっていただき・・・
見積り書の比較検討の内容を説明し、修正後の見積り金額を発表しました。

ここまでデータが揃えれば、お寺にとってどの建設会社が最良か?自然と意見はまとまるものです。
結果は、全員一致で英社寺建築に工事を一任することが決まりました。

複数の建設会社による「見積り合わせ」は、誰もが納得できる最善の方法ですが・・・
正確で的確な設計図があってこそ可能です。

しかし、寺院の設計は特殊なので、一般の設計事務所では正確で的確な設計図に描くことができません。
伽藍整備のご計画がある場合は・・・是非、菅野企画設計にご相談ください。

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