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いくつかの希望を伝え、出来上がってきた設計図を見た時、思わず「なるほどね」と呟いていました。

浄土宗西山禅林寺派 東宝寺
住職/木村実乗 様
愛知県名古屋市

思い返せば五年前。平成二八年の盆施餓鬼会の真最中。私は本堂中央、施餓鬼棚の前で塔婆回向をしていました。すると突然、本堂隅が何やらざわついてきた。しかし、大事な塔婆回向はそのまま続き、やがて終了。終るやいなや「何があった?」と寺役員に尋ねると、「六畳分くらい床が抜けました」と。その場所には何名か座っていたとのこと。床下までドスンとではなく、三十センチくらいの沈下だったので、怪我人はなくホッと胸をなでおろした、という顛末でした。その時私の気持ちは固まりました。「建て替えだ!」

 寺史を繙くと、当山十二世、源誉運翁上人(寛文九年寂)と二十二世、相空瑞堂上人(文政十年寂)のお二人に「中興」の尊号が下賜されています。十二世から二十二世は約百五十年。二十二世から三十世の私まで約二百十年。六百余年前の開山以来、何度目かは不明だが、二百年ぶりの建て替えが私の代に当たったといことです。まあ、これも仏縁と今回の事業が始まりました。
 
 となると、とにもかくにも設計士、ということで、頭に浮かんだのが菅野企画設計。当山と交流のある二カ寺で仕事をしておられ、その出来栄え、評判は見聞きしていました。寺役員との協議の後、建て替え決定と同時に連絡を取り、面談した結果スンナリ決まりました。

 予算、いくつかの希望を伝え何回かの打合せを経て、出来上がってきた設計図を見た時、思わず「なるほどね」と呟いていました。ややこしい希望も含め、すべての要望が見事に図面化されており「踊りだす設計図」とも言うべきものでした。  

 菅野氏、担当の伊藤氏には、その後も注文つけまくりでしたが、実物は、ほぼ満足のいく出来栄えです。これでまた、最低でも二百年は持つだろうと思っています。天井裏に仕込んだ棟札やタイムカプセル、いつの時代の誰が見るのだろうと思いながら本堂を見上げる毎日です。  

解体の丸武産業、施工の松浦建設、その他多くの人々の力を結集して完成した諸堂宇。仏の教えの発信基地として、世の為、人の為に法灯を点していきたいと思っております。 

日本の巧の技 万歳。

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