手抜き工事は有り得ないという確信を持ち、出来上がっていく御堂を見上げていました。
- 真宗大谷派 法輪寺
住職/永田和幸 様 - 愛知県名古屋市
南側隣接地を購入し、境内地が拡張されたのを契機に、どんな本堂が建てられるのか、ちょっと話だけでも聞いてみようかという、軽い気持ちで問い合わせしたのが、そもそもの始まりでした。
本堂建立のために準備していた資金を土地購入にすべて使い果たし、手持ちが殆どない時でしたが、的確な指導のもと、お陰様で伝統的木造建築の御堂が完成しました。
一年以上の歳月をかけ、担当の東松さんと念入りに打ち合わせをしました。当方の要望を聞きながらも、寺院としての体裁や長期使用を鑑み、決して妥協してはならない部分と、費用削減の為に代替可能な部分とをきっちり線引きしておられ、経験豊富・適材適所の提案で、安心してお任せすることができました。設計と施工業者が同じでしたら、このような交渉は難しかったかもしれません。
工事が始まると、設計図通りに工事が進められているかどうか、監理チェックを随時していただけたので、手抜き工事は有り得ないという確信を持ち、出来上がっていく御堂を見上げていました。
先の戦争で奇跡的に焼け残った当寺周辺は、幸か不幸か、区画整理もされずに戦前の長屋が立ち並び、狭い路地が交差する地域です。そのため、木造の本堂は建てられないと思っていました。
「うちは違法建築はいたしません。」と当初から言われ、技術革新・規制緩和等の時代の推移を的確に把握し、今、当寺で出来得る最善の本堂が立ち上がったと思っています。