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2025.3.25

愛知県お寺で本堂の耐震診断、費用対効果の高い補強案を検討中(中村)

2025.3.25

Category: 耐震補強

近頃、ますますたくさんの耐震調査依頼をいただいています。
2024年1月の能登半島地震を経験し、多くのお寺の住職が
本堂の耐震性能に不安を抱えているように感じます。


先日も・・・
愛知県の曹洞宗寺院から耐震診断を依頼されました。

こちらは築約270年が経過しているご本堂ですが
過去に改修工事が行われていて・・・

コンクリート基礎が新たに造られ
この上に土台を伏せ、柱が建てられています。
また、漆喰壁の下地は土壁ではなく合板になっていました。

これらの状況から
「精密診断法」による耐震診断が、より合理的な評価になると判断しました。
また、補強についても、基礎や合板を活かす方法を考える必要があります。
(礎石建ちの土壁本堂であれば、柔構造を活かした「限界耐力計算」を採用します)

 

しかし
堂内の耐力壁の配置を調査しただけでは
構造計算に着手できません・・・


小屋裏や床下にもぐり
・耐力壁の固定方法の状況
・小屋組みの接合状況
・材の劣化状況
・柱頭柱脚の金物の有無
なども調査し図面にまとめる必要があります。



△小屋裏の様子。合板の固定状況は診断にとても重要です。



△床下の様子。

このような、現況を把握した上で構造計算を行い・・・耐震性能を評価します。

そして現在は、計算結果をもとに、いくつかの補強案をまとめ、それぞれの工事費用算出。
最もコストパフォーマンスの高い案を検討しています。

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