完成ギャラリー

鉄骨・RC造伽藍鉄骨・RC造伽藍

真宗大谷派 法光寺 本堂新築

長野県上田市にある寄棟屋根の本堂が気に入ったと、写真を見せてくださった住職。早速現地に飛び、外観をスケッチしました。
もともと藁葺きだった屋根を銅板で復元した形は、親しみやすい表情ですが・・・なかなか複雑です。
また、「堂内に柱を立てたくない」というご希望を叶えるため、本堂の構造は鉄骨鉄筋コンクリートを採用しました。
そのため、特殊な形状の屋根を鉄骨造で造るという、大変難しい作業になりました。しかし…現場監督、鉄骨工場が知恵を絞り手間を惜しまず、見事完成してくれました。
  • ■愛知県あま市
  • ■施工/株式会社中島工務店
  • ■鉄筋コンクリート平屋建て
  • ■床面積/402平方メートル (121坪)
  • ■2006年竣工
  • 緩い勾配の屋根のように見えますが、実は8/10の傾斜があります。凸のむくりがあるのでそう見えるのでしょう。屋根は銅板で葺きました。向拝の虹梁は、旧本堂のものを再利用する予定でしたが、新しくなりました。
  • 鉄骨の下地で屋根の形状、軒の見付けを正確に造りました。屋根下地の鉄骨は一本一本曲げて、緩いむくりを。軒先もひとつひとつ異なる形状のパーツを組み合わせて。鉄骨工場の工場長は眠れない日が続いたとか。ご苦労様でした。
  • 本堂正面の入口は、幅9mのほそ長い玄関ホールになっていて、下足入れはありません。靴を脱いでそのまま本堂に上がる。靴をはいて外に出る。一度にたくさんの人が出入りできる工夫です。
  • 鉄筋コンクリート造なのに堂内はまるで木造。内陣境には旧本堂の欄間を再利用しました。正面の柱は直径30㎝の桧、長押、鴨居、上り框…すべて無垢材を使っています。
  • 内陣は読経が響くように…という住職の御希望で天井高さは5mを確保しました。格天井の格縁の一部は、旧本堂から丁寧にはずし、再利用しました。壁は漆喰仕上げです。
  • 住職は正座での法要にこだわられました。しかし、お参りの方は椅子に座っていただくため床はカーペット敷き。床暖房も完備しています。法要の様子がよく見えるように、柵内の床は外陣から40㎝上り、内陣はさらに30㎝高く。
  • 住職のご希望を叶えるため、雪まだ残る長野県上田市へ行き、屋根の形をスケッチしました。
  • 強固な地盤は地下35m!そこで、阪神大震災でその効果が証明された節杭を採用。長さ6mの杭を59本打設しました。
  • 本堂は鉄骨鉄筋コンクリート造です。基礎、地中梁、柱、梁、スラブと工事の進捗に合わせて鉄筋を検査しました。
  • 鉄筋と同じく、工事の進捗に合わせて、コンクリートの受け入れ検査を何度も行いました。
  • 大工に原寸を描いてもらい、屋根のむくり具合を決めました。
  • 軒付け(軒先の切り口)の原寸を合板で造ってもらい、その形をチェックしました。
  • 鉄骨工場で、加工の精度を確認し、溶接の検査に立ち会いました。
  • 屋根が急こう配なので、銅板葺きは難易度の高い施工になりました。
  • 多くの随喜寺院、檀信徒が参集し、盛大に落慶法要が厳修されました。

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