完成ギャラリー

木造伽藍木造伽藍

日蓮宗 大光寺 全伽藍整備

旧本堂は、菅野が以前勤めていた(株)城戸武夫建築事務所の設計でした。

「入社したての頃、所長だった故加藤智弘さんが”私の若い頃の作品だよ”と、案内してくれたことを思い出します」
そう伝えると・・・「御縁ですね」と先代住職。

旧本堂は鉄筋コンクリート造で、屋根に塔を乗せたユニークな外観でした。

住職に木造の本堂を提案すると・・・
「小屋裏も有効に使って、できるだけ天井を高くしてください」

そこで、御宝前と内陣の天井が最も高くなるように・・・
正面と側面の勾配が違う上に、頂点が後方にずれたユニークな宝形屋根をデザインしました。

「変わった外観は見慣れていますので」と了解してもらったものの、少々不安も。

しかし、落慶法要の場で「本当に、たいへん気に入っています」
随喜寺院や檀家の皆様の前で、住職からお褒めの言葉をいただき、胸を撫でおろしました。
  • ■名古屋市
  • ■施工/株式会社アイチケン
  • ■本堂:木造平屋建て その他:木造2階建て
  • ■床面積/本堂:約247㎡ その他:約580㎡
  • ■2024年1月竣工
  • 本堂は銅板一文字葺き、その他はステンレスの段葺きです。境内を余すところなく活用した配置です。
  • 山門から続く石貼りの参道に本堂、庫裡、書院と植栽が有機的に連続し、魅力的な景色を創っています。
  • 本堂の屋根は正面が4.3寸、側面と背面が7寸勾配。向拝の蟇股は、双龍の丸彫りです。
  • 頂点が後方にずれた宝形屋根と、三方に裳階が回る外観です。
  • 本堂は間口5.5間×奥行8間。両側の1間幅の廊下が開放的につながっているので、間口8.5間の広さを確保できます。
  • 外陣は斜め天井、御宝前と内陣の格天井は高さ5mを確保しました。
  • 内陣は直径42cmのケヤキの丸柱で囲まれています。その柱を24cm×42cmのケヤキの虹梁が力強く固めています。
  • 27帖大の中庭の四周を回る畳廊下に面して、本堂・書院・玄関・便所・倉庫を配置しました。
  • 30帖大の玄関。正面に床の間を設えました。正面右側は茶室と研修室へつながる階段。手摺に龍の透かし彫りを施しました。
  • 玄関ホールに、常設の受付カウンターを設けました。中庭を左手にして進むと便所と書院。右手にして進むと、本堂に至ります。
  • 書院は30畳の広さ。出窓越しに和の庭が楽しめます。正面床構えの地袋の板戸は旧書院からの再利用です。
  • 書院の北側に本格的な待合を造りました。飛び石の先に配置した石橋は、お寺周辺の歴史を伝える貴重な遺構です。
  • 玄関の2階に設けた8畳の茶室。水屋が隣接しています。
  • 深さ1.5m×直径35cmの天然砕石杭を190本施工した上に、丈夫な鉄筋コンクリート造の基礎を造り、木造2階建ての伽藍を建てました。
  • 小屋組みには、大量の松丸太を使いました。太い木材に埋もれて加工に励む大工が、まるで小人のように見えます。

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