数年前、本堂を含むほとんどの伽藍が火事で焼失してしまい、建て直しが必要になりました。
どこの業者にお願いしようかと考えていた時、親しい住職が、寺院に詳しい設計事務所があるという情報を教えてくれたのです。それが菅野企画設計さんでした。

この辺りで寺院を工事する場合は、地元の工事業者さんに頼む事が多いのですよ。
それで、工事業者も呼んで説明会を開いたんですが…。
菅野企画設計さんだけは、耐震構造についてもいろいろアドバイスをしてくれたんです。
結局それが決め手になって、地元の工事会社さんを断り、菅野企画設計さんにお願いすることを決めました。

私の説明は言葉足らずだったと思いますが、思い描いている構想を菅野さんはよく理解してくれたので、とてもありがたく助かりましたね。設計の打ち合わせでは私の好みも聞いてくださいましたし、それ以上の素敵な提案もしてくれました。

平成22年8月に完成して、引き渡されたお寺は、私の思い通りの出来で、全体的にうまくまとまったお寺になりました。
私のお気に入りの場所は全部ですが、その中でも特に好きなのは、本堂の屋根です。
見る位置で、外観の見え方が違ったりするんです。本堂の中は彫り物をつけず、長押だけのデザインにしてみました。
昔の風情を残し、懐かしさを感じるシンプルな仕上りは、私の希望通りになりました。
耐震性が高く、昔のデザインをあえて取り入れたことが、とても新鮮だと言われます。

私の思いをくみ取って形にしてくれた菅野企画設計さんに感謝の一言です。