当坊は、老朽化した庫裡客殿の相談に始まり、結果的には本堂・位牌堂・客殿・庫裡と、それぞれ使用用途の違う建物を設計していただきました。


出来上がったパース（完成予想図）を拝見した時、

「先立った旦那さんに会いたいと思って」
「心配して写経を書き続けてくれた母へのお供えのために」
「よく家族で来たから新しい家族が増えた報告に来ました」
「少しでも受験の力になってもらえれば」
「思い悩んでモヤモヤが続くものですから」

お参りされる方々のたくさんの表情や話す言葉が自然と浮かんできました。


参拝される方々の気持ちを感じ、そのお気持ちに対して行動や言動で寄り添うことがお寺の役目の一つです。それが出来てこそ、神仏に向かい合えるのではないかと思っています。お寺の役割が行動ならば、それを受け入れる空間ごとトータルプロデュースして下さる、頼れるパートナーが菅野企画設計さんです。

一宗派一寺院に留まらない、たくさんの経験に基づいて設計して下さることも強みです。参拝される方に対して、永くお寺が応られるようにと考える姿勢も心強く思いました。

時代も文化も変わる中で、仏教は普遍に必要であるからこそ寺院は存在し、またそうであり続けてなくてはいけないと思います。
今回の新築事業では、人に寄り添い人を思う大切さを改めて学びました。そのまま菅野企画設計さんの魅力と強みだと感じております。

小さい子どもたちも、計画する段階から、実際に工事している様子、建ち上がっていく過程、出入りする職人さんの情熱とふれあいを通じて、力を合わせて何かを作り上げる楽しさとやりがいを多いに感じたようです。静けさを取り戻した今、少し淋しそうでもあります　笑

菅野企画設計の皆さまのご縁から、豊かな時間をいただいたこと、また新たな責任と役割に向かい合う最高の「精舎」を残して下さったことに心より感謝申し上げます。