この度、門信徒をはじめ有縁の皆様の御協力により客殿庫裡新築の大事業を完遂することができました。

　脳溢血で倒れて入院中の兄から住職を継承した私は、兄が計画していた客殿庫裡の建て替えを実現したいと思い、役員会の席で私の想いを伝えましたところ、全役員が建て替えに賛成してくれました。そして、住職就任式で門信徒に計画をお話し、ご理解とご協力をお願いするとともに、役員の方を中心に建設委員会を発足しました。
 
　業者を決めるにあたり、設計業務と施工業務を別々にする設計施工分離方式をとることを選択し、まずは、設計事務所を決めるところから始めました。
　どこか良い設計事務所はないかと、インターネットで情報を見ておりましたら『寺院設計が得意な設計事務所！菅野企画設計』という文字が目に留まりました。会社のホームページを開いてみますと、耐震設計や防火対策など設計事務所としての意識の高さが窺えました。また、数多い実績の中から、たくさんのお寺の完成写真が掲載され、どこも素晴らしいものばかり…。

　一度、話を聞いてみたいと思い電話をかけました。すると、所長の菅野さんが「よろしければ、一度そちらへ伺いますと」とおっしゃってくださったので、お会いすることにしました。当日、会社の事業案内パンフレットをいただき、問い合わせから完成までの流れを一つ一つ丁寧に説明してくださいました。そして設計だけでなく、「工事が設計通りに進んでいることを最後まで入念にチェックする、しっかりとした工事監理を行っていきますからご安心ください」というお話に、ほっとした気持ちになり、すべてをお任せしようと思いました。

　 余談ですが、菅野さんとお会いする数日前に、兄の机の引き出しから茶封筒に入ったメモ書きを見つけました。そこには、菅野企画設計事務所と書かれており、菅野さんの名刺が一緒に入っていました。メモ書きと名刺を菅野さんにお見せすると、「その頃のことはよく覚えていませんが、名刺のデザインからして10年程前に使っていたものです」と言われました。「兄があの頃、あれこれ思索していて、資料を請求して送ってもらったんだと思います。これも何かの縁ですね、是非とも設計の方をお願いしたいと思います」と申し上げると、「有り難いご縁をいただき感謝いたします、一生懸命やらせていただきます」とおっしゃってくださいました。

　設計事務所からは、菅野さんのほかに、前嶋さんをチームリーダーとして福田さん大江さんの3名で担当していただきました。特に、前嶋さんとは、1年の歳月をかけて、至る所で適切なアドバイスを頂きながら念入りな打ち合わせを行いました。そして、当方の要望を事細かに聞いて図面に反映し、工事が始まると何度も足を運び、徹底した工事監理を行っていただきました。

菅野企画設計の皆様のお陰で、大変満足のいった申し分のない伽藍が完成しました。
本当にお世話になりました。有り難うございました。