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2017.10.3

一宮市で古民家再生。解体中の想定外!は臨機応変に対応(植松)

現場では現在、解体工事の真っ最中。
写真は、内部の壁や天井、床が解体撤去された様子です。





実は・・・
お客様は、弊社で話を聞いた後、建設会社にも相談されたそうです。

「直ぐに、数人の技術の方が家へ来て、簡単に調べていきましたよ。その後、営業の方が内観パースと工事費の概算を持ってきました。とてもスピーディだったし、内観パースが魅力的だったので、いいなあと思いました」は奥様。

「でも、設計する前に耐震診断をするべきだという菅野企画さんの話を思い出して、不安になりました。工事費は、菅野さんから聞いたより安かったんですが・・・完成したお宅を見せてもらったら、なんか安っぽくて。だって、中はクロスばかりだし、外壁はガルバリウムとかいう鋼板張りでしょ。古い木材が室内に現れているけど・・・どこか不自然でねえ。これじゃあ嫌だから、いっそ新築のほうがいいのでは?と思って、住宅展示場へも足を運んだんですよ」はご主人。

そして・・・色々悩んだ末に、お客様はわが社に帰ってきてくださいました。


スタッフ4人がお宅に伺い現況調査を行ったところ・・・
建物は土壁で造られており、状態も良好だったので、土壁の粘り強さを耐震力として活かす「限界耐力計算法」で耐震診断を行い、引き続き耐震補強設計を行いました。


ということは、土壁は大事な耐力壁!むやみに壊すことは禁物です。

ただ、構造計算の結果、現況の土壁だけでは耐震力が不足していることが判明したので、壁をバランスよく追加する必要があります。その壁には、土壁と同じ構造特性を持つ「荒壁パネル」を採用しました。



△荒壁パネルの取り付け方法をチェック

古民家の耐震改修では、設計する前と途中で、床下に潜ったり小屋裏に登ったり・・・現況を詳しく調査します。

しかし・・・
柱を隠さず、柱と柱の間に壁を造る「真壁」なら、柱や土壁の状態を目視で確認できますが・・・
柱や土壁をボードで隠す「大壁」の場合は、解体しないとその中が確認できません。

そのため、「大壁」部分では、想定外のことが少なからず発見されます。


このお宅でも・・・
土壁があるだろうと想定していた箇所になかったり・・・ないと思っていた箇所に土壁があったり・・・を数か所発見したので、新設壁の位置を変更して対応しました。




また、古民家ならではの新たな魅力を発見することもあります。

先日も・・・
「式台の框にいい材が使ってありますよ。削ればまだ十分使えそうですがどうしますか?」と現場監督。
「玄関の上り框に再利用しましょう!」

などなど、想定外!は現場で、臨機応変に対応していきます。

いい味出してる柱や梁、歴史を重ねた建具や煤で黒くなった天井板・・・いずれも魅力満点!

菅野企画設計は・・・
家が重ねた歴史をボードで覆い隠してしまう耐震改修は行いません。
古民家の魅力を最大限に活かす設計を行います。

わが家に愛着の有る方は是非、ご相談ください!

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