名古屋市内に建つ築80年 古民家の耐震診断を依頼され、
早速、弊社の伊藤、前嶋、植松と一緒に現況調査に伺いました。
そして、事務所に戻り、調査結果の図面化。
続いて、土壁の粘りを耐震力に活かす『限界耐力計算による耐震診断』。
地震時に土壁と同等の働きをする『荒壁パネル』を使った耐震補強の提案、
…と進む予定でした。
△現況調査の結果を図面化し、耐震診断を行いました。
ところが、
・地震時の揺れやすさを示す表層地盤増幅係数が思いのほか大きかったこと
・お客様は、耐震補強した建物への増築を考えていらっしゃるため、
既設部分と増築部分が一棟とみなされ、現在の建築基準法を満たす必要があること
その他にも『限界耐力計算に基づく耐震補強』に不利な条件がそろってしまいました。
そこで・・・
方針を切り替え、『壁量計算』に基づく『筋かい』での補強を提案することにしました。
△『筋かい』による補強
『筋かい』による補強とはいえ、土壁はできるだけ残し、耐震力として利用する提案をまとめました。
お客様のお宅に伺い、補強案と増築の間取り、工事費の概算をお持ちし、詳しく説明しました。そして、
「現況調査の結果、柱や梁、差鴨居など構造材の状態は良好で、取り換えの必要がある材は見当たりませんでした。」と、ご報告しました。
すると、
「母屋を今の状態で残せることは魅力的だね。思い入れのある建物だから」と、ご主人。
今後については、ご家族と話し合い、検討した結果を後日、連絡してくださるとのことでした。