コラムColumn
2017.4.11
愛知県一宮市 土壁の粘りを活かす古民家再生、補助金は?(植松)
愛知県一宮市で、古民家再生の設計が始まりました!
築75年、床面積約85坪の2階建ての古民家を改修します。
「この家の良さを活かしたい!」というのがお客様の希望。
そこで・・・
土壁の粘り強さを耐震に活かす、「限界耐力計算」に基づく耐震補強をご提案しました。
「耐震補強をすれば一宮市から補助金がもらえるんですよね?」お客様から質問を受けました。
おっしゃる通り、昭和56年以前に新築された建物であれば、耐震改修工事に対する補助金が受けられます。
しかし・・・
市の補助金は「壁量計算」による耐震補強を前提にしています。
「壁量計算」というのは・・・
壁を筋交いでがっちり固め、揺れに耐える構造に適した計算方法です。
ところが、古民家は土壁構造です。
土壁は建物をがっちり固めることができないので、「壁量計算」では土壁の耐震力は低く評価されてしまいます。
そこで、古民家を「壁量計算」で補強する場合は、せっかくの土壁を除去して筋交を入れたり・・・
構造用合板で土壁を覆ってしまうことになります。
又、鉄筋コンクリート造の基礎をつくる必要が生じ、工事費も高くなります。
一方、弊社がご提案する「限界耐力計算」は・・・
土壁、差鴨居や足固等・・・古民家の揺れながら地震に耐えるという特徴を評価する計算方法です。
△古民家の現況調査
では、「限界耐力計算」による耐震補強でも、市の補助金は受けられるのか?
答えは・・・受けることができます!
「限界耐力計算」による耐震補強に対する補助金の前例が少ないのは・・・
単に、構造計算書をチェックできる審査員がいないからなのです。
一宮市の窓口で確認したところ・・・
第三者機関に計算根拠をチェックをしてもらえば・・・補助金がもらえるとのことでした。
(各行政庁に確認が必要です!)
△イメージパース
ということで・・・
補助金申請も念頭におき・・・設計が進んでいます!
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