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2017.11.14

事務所恒例の研修旅行 2日目も滋賀県の日本建築をたっぷり(大江)

2017.11.14

Category: トピックス

菅野企画設計では毎年、スタッフ全員が参加して、日本建築の研修旅行に出かけます。
今年は日本建築の宝庫!滋賀県へ行きました。

私はその2日目をお知らせします。

2日目の10月25日は石山寺、三井寺、びわ湖大津館、延暦寺を拝観、見学しました。

石山寺には国宝の多宝塔があります。
鎌倉時代の建物で、均整の取れた形、優しい曲線を描く屋根・・・日本で最も美しい多宝塔だという評価にも納得です。




「亀腹はどうやって造ってあるのだろう」
初層屋根と上層部分が接する壁は丸く造形され、漆喰で塗られています。この部分を亀腹と言います。

「細い木の板で形を造った上に土を塗り、漆喰で仕上げているんだよ」

「でも、相当雨が吹き込むでしょ?漆喰が割れていないのは不思議ですね」

事前に用意した図面と実物を見比べながら、検討会議が始まりました。



△図面と実物を見比べながら・・・

三井寺では、事前に予約をして、光浄院客殿を解説付きで拝観させてもらいました。

慶長6年(1601年)建立で、書院造の住宅としては日本有数の古い建物です。
主に、お殿様に謁見する場として使われたそうです。

写真撮影はNGなので記念にもらった資料をご覧ください。




所長の菅野がお殿様に、私たちが謁見する武士の役に扮し、実際にその場所に座って見ました。
「当時の状況をより忠実に再現するために、電気も消ましょう」
すると・・・床の間の松の絵が生き生きと輝きだしました。
「菅野さんがとても神々しく見えますよ(笑)」


実は、研修旅行前日、台風21号が滋賀県を縦断しました。

「今日、延暦寺は拝観できないかもしれませんよ」
そんな情報が入り・・・HPを調べる植松。
「入山規制してる!」

電話で確認すると・・・
停電していて、拝観できない伽藍があるものの、入山はできるとのこと。
「せっかくだから、行ってみよう」




倒れた大木や、剥がれ落ちた看板などなど、生々しい台風の爪痕を目の当たりにしましたが・・・
幸いなことに、お目当ての根本中堂を拝観することができました。



根本中堂では、停電で真っ暗な伽藍の中に入り、内陣の中を結界から覗き込むと・・・
ろうそくの光に照らされた、幽玄で厳かな世界が広がっていました。

「台風のおかげで貴重な体験ができた」
所長の菅野はじめ大満足のスタッフ一同でした。



帰り道にて・・・
「この灯篭の返り花(足元)と受け花(首元)、とてもいいねえ。伊藤君、今設計中の納骨堂に採用しよう!」
早速、写真に納める伊藤チーム。


毎年恒例の研修旅行は、設計の実務やデザインに、大いに生かされています。
 

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