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2019.3.5

横浜市の【不燃化推進地域】でお寺を新築。木造?鉄骨造?(大江)

2019.3.5

Category: 本堂新築

横浜市のお寺から、本堂と庫裡(住職家族のお住い)のマスタープラン作成を依頼されました。
 

マスタープランとは・・・
工事に必要な詳細設計を進める前に行う基本設計のことです。

寺院新築の場合
間取りを練った上で本堂や客殿のインテリアパース、外観パースを作成。
仕上げを決めて工事費の概算を行い、模型も作ります。

住宅新築の場合
間取りを2案まで考え、リビングのインテリアパースを作成。
仕上げを決めて工事費の概算を行います。

古民家再生の場合
耐震診断を行い、補強を前提にした間取りを2案まで考え、リビングのインテリアパースを作成。
仕上げを決めて工事費の概算を行います。

 

早速、菅野がお寺へ伺いました。

境内は横浜市内の住宅地で、敷地が約340㎡と限られています。

住職ご家族と何度も打ち合わせを重ねた結果・・・
お寺の施設を1階に、2階は住職ご家族の住まいで、切妻屋根の外観にまとまってきました。



「柱のスパンが5mを超えるけど・・・工事予算を考えると木造かな?」は所長の菅野。


しかし・・・
都市計画図を見ると、敷地は【不燃化推進地域】内にあります。

横浜市が指定する【不燃化推進地域】内で建物を建てる場合は・・・【準耐火建築物】以上とすることが義務付けられています。

【準耐火建築物】とは、柱や梁など構造上重要な部分を鉄筋コンクリートや鉄骨などの不燃材にする、または外壁を耐火構造にする必要があります。また、延焼のおそれのある範囲の窓は、防火戸にしなくてはいけません。



△横浜市では、木造2階建ての準耐火建築物を設計する際のポイントを公開しています。

しかし・・・

木を構造材に使っても【準耐火建築物】を造ることは可能です。

・柱や梁を構造上必要な断面より太くして・・・
火災にあっても、法律で定められた時間は建物が崩壊しないようにする燃え代設計。

・石膏ボード等の不燃材で覆い・・・木部を火にさらさない設計。



△木の柱を石膏ボードで覆う
 
どちらにしろ、余分な手間と材料が必要なので、一般的な木造より工事費が高くなります。

しかし・・・
鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて建物が軽いので、杭や基礎の工事費を抑えることができます。


どちらを選ぶべきか?

最近、鉄骨の価格が高騰しているし・・・
関東地域では大工が極端に不足しているし・・・

木造のメリット、デメリットを比較しながら・・・只今、考え中です。

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