鉄骨・RC造伽藍

浄土宗西山禅林寺派 桜誓願寺  本堂新築 愛知県名古屋市
旧本堂は築150年以上の歴史を持つ入母屋造り、豪壮な木造伽藍でした。
しかし、以前戦災に遭ったことが災いし、屋根や構造の老朽化が思いの外進んでいました。
「この本堂を失うのは断腸の思いです。内陣だけはどうしても残したい…。」
住職と檀信徒の切なる思いに対する弊社の提案は
「秀逸な設えを残すためには、鉄骨造の躯体の中に旧本堂のしつらえを再現する方法が最善だと思います。」
不安を抱きながらも、そのアイディアを採用してくださった住職。完成した伽藍を見ながら、「鳥が翼を広げて、今にも飛び立つようだと、皆さんが褒めてくださいます。」
そうおっしゃった笑顔に、この上ない喜びを感じました。
  • ■鉄骨造 平屋建て
  • ■床面積/315平方メートル (95坪)
  • ■2009年8月竣工
  • 豪壮な入母屋屋根の旧本堂を惜しむ声は少なくありませんでした。そんな人たちに納得していただける美しい寄棟屋根は?屋根の勾配、反り、軒の出など検討を重ねました。大棟にはシビを載せました。
  • 本堂は住宅地の斜面に建っています。斜面下の道路から見ると、「まるで鳥が羽を広げているようだ。特に、夜景が美しい」そう褒められるそうです。向拝の虹梁と龍の彫り物は旧本堂のものを再利用しました。
  • 新本堂の間口を旧本堂に合わせて設計し、柱、虹梁、欄間、組物など、秀逸なしつらえをそっくり再利用しました。
  • 堂内に現れた鉄骨の柱は木の板で囲ったので、その存在に気がつきません。
  • 外陣の格天井は新しく造りました。照明は天井に埋め込みました。
  • 玄関と取次の境に引き戸を設けるのかどうか?これには住職と奥様が大いに悩まれました。お客様がおみえになったら「いらっしゃいませ」と板戸を開ける。結局、その奥ゆかしさを選択されました。
  • 式台を上がると畳敷きの10畳の取次。正面に中庭が見えます。庭は、二河白道をモチーフにして造られています。左に、本堂東の畳廊下が続き、漆塗り枠の美しい障子の向こうが本堂です。
  • 本堂東の畳廊下。中庭に面していて、いろいろな角度から二河白道の庭を楽しむことができます。 大きな掃き出し窓から充分な光を入れながらも、上部に仕込んだ障子で、参拝者の視線を庭に向ける工夫。
  • 内陣には旧名古屋城の御殿に使われていた天井画が残っていました。また、柱や組物には魅力的な彩色が施されていました。今回の工事では、その全てを丁寧にはずし、再利用しました。
  • 境内に工事用通路を確保するため、鉄筋コンクリート造の地蔵堂を曳家で移動し、工事完了後元に戻しました。
  • 大工の工房で、原寸検査を行いました。屋根の反り、軒反り、縋る破風の形を決めました。
  • 内陣のしつらえを丁寧に外し、新本堂内に組み直しました。
  • 内陣と外陣境の柱や虹梁、蟇股、組み物を丁寧に外し、新本堂内に組み直しました。
  • 伝統的な屋根の反り、軒反りを鉄骨で再現しました。
  • 新築とはいえ、旧本堂の木材を再利用したので、落慶法要は歴史の重みを感じる儀式になりました。

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