鉄骨・RC造伽藍

浄土宗西山派 善光寺  本堂・客殿・書院 新築 愛知県名古屋市
昭和2年に建てられた旧本堂は、昭和24年の移築や、戦争、伊勢湾台風などを経験して老朽化が進み、鉄骨の方杖で補強されていました。また、屋根は、長野の善光寺と同じ撞木造り。谷の多い形状だったため、雨漏りにも悩まされていました。
新築するに当たり、これからの伽藍はどんな間取りがいいのか?弊社が以前設計した、名古屋市の関貞寺をご覧になった途端「これは理想的です。」その後、綿密な設計に約1年。旧本堂を解体してから1年3か月で鉄骨鉄筋コンクリート造の良さと、木造の良さが融合する美しい伽藍が完成しました。
  • ■鉄筋コンクリート造平屋建て
  • ■床面積/734平方メートル (222坪)
  • ■2009年11月竣工
  • 間口7.5間×奥行11間の大伽藍です。旧本堂に倣い、入母屋造り屋根の妻入り。正面に二重虹梁を見せ、向拝には龍、獅子、獏の彫り物。客殿の入り口には唐破風と、伝統的な木造伽藍に見えますが…鉄筋鉄骨コンクリート造です。
  • 南西方向から見た外観。外部長押や花頭窓、猪目はステンレス製。外壁の腰は御影石を張り、高欄はステンレスバッフル仕上げ。屋根は瓦葺きですが、その一部がガラス瓦になっていて、堂内に光を採り入れています。
  • 向拝の虹梁、海老虹梁は無垢のケヤキ、垂木には桧を使いました。柱は黒いタイルを貼り、エッジは漆喰塗りです。正面入り口のアルミサッシの腰には、金箔を散らした漆塗り板をガラスで挟み、嵌め込みました。
  • 93畳と、広い外陣。冷暖房が完備されています。天井は桧の格天井。中央は折り上げにして5mの高さを確保しました。天窓から明るい太陽の光が落ちてきます。天井の一部に、虹梁の肘木に旧本堂の彫刻を再利用しました。
  • 堂内から客殿を望む。本堂と客殿は幅1間の廊下で直結しています。鉄筋コンクリート造だからできるダイナミックな間取りです。ただ、堂内の柱は全て無垢の木材が使われているので、鉄筋コンクリート造だということを忘れてしまう。
  • 須弥壇の後ろ側に設けられた「須弥壇納骨」。地袋の扉を開けると、納骨用の穴が現れます。ここから納骨すると、須弥壇の下に合祀されます。
  • 善光寺と言えば戒壇巡り。闇の中、鍵を求めて手探りで歩く、あの体験ができるように、内陣の下に基礎を利用して通路を造りました。入り口は、ちょっとおどろおどろしいデザインにしてみました。
  • 唐破風の玄関を入ると、正面に客殿が見えます。上り框、式台は無垢のケヤキで造りました。向かって右側のガラス戸は、配膳室の入り口です。赤いカーペットを右に進むと、便所があります。
  • 玄関脇に8畳大の団欒スペースを設けました。ちょっとした応接、法要途中の休憩に使います。本山から送られてくるポスターなどもこういうところに貼れば、品よく人目に付きます。
  • 客殿は60畳の広さを確保しました。西側は、一間幅の廊下で本堂に接しています。また東側は、中庭に面しているので、明るく風も通ります。客殿はスライディングドアで3分割することができます。
  • 8畳の和室、二間続きの書院です。天井は杉木板の敷き目張りとシンプルなデザインですが、襖には三つ葉葵を描いてもらいました。欄間は長野善光寺の山門、本堂をオリジナルデザインで透かし彫りに。
  • 以前は別棟だった弘法堂を本堂の横に組み込みました。正面は格狭間(ごうざま)と呼ばれる伝統的な形を窓にくり抜きました。アルミサッシの腰には、ブロンズ箔をガラスで挟み、嵌め込みました。
  • 弘法堂は14畳の広さがあり、土足で利用してもらいます。法要の後、お参りの方には、部屋の両側に造り付けた椅子に座ってもらいお茶をふるまいます。そのため、湯沸かし室を隣接させました。
  • ケヤキ材の検査は、奈良県の西垣林業で行いました。
  • 落慶法要は、本堂だけでは席が足りず、客殿にも参拝者が溢れました。

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