木造伽藍

臨済宗 禅林寺  本堂新築 三重県菰野町
「耐震補強ができませんか?」というご相談から始まりました。旧本堂は菰野城の書院を移設したという歴史ある建物でしたが、材は細く、柱は傾き、壁が湾曲する状況。
「残念ですが、この建物は寿命です。」「…そうですか。でも、本堂の新築なんてできるかなぁ…」と住職。ところが、檀家様の新築への気運が一気に盛り上がり…木造本堂が完成しました。
  • ■木造平屋建て
  • ■床面積/188平方メートル(57坪)
  • ■2008年1月竣工
  • 工事金額が限られていたので、「屋根の反りにはこだわりません」は住職と建設委員会の総意でした。ただ、屋根は急勾配にして、軒には高さ7.5㎝の垂木を20㎝ピッチで渡すなど、お寺らしさをデザインしました。
  • 旧本堂に倣い、向拝は唐破風に、棟の上には鯱を載せました。
  • 唐破風向拝から境内を望む。虹梁の上の蛙叉(かえるまた)は、この寺の山号「瑞光山」にちなんだオリジナルのデザイン。格天井の板は、根つき杢の杉。荒々しい表情で、割れにくいのが魅力です。
  • 堂内は段差のない48畳のワンルーム。屋根を支える構造を工夫して、中央は折り上げに。3.2mの高さが確保できました。必要に応じて、12畳×2と24畳の3つの部屋に仕切ることができます。
  • 内陣の丸柱や虹梁、框は旧本堂の材を再利用しました。
  • 内陣境の欄間には、旧本堂の花狭間(はなざま)を再利用しました。両脇の柱には木目のおとなしい21㎝角、長押は柾目の桧。格天井の格縁は6㎝角と、伽藍にマッチした木材を適材適所で使います。
  • 堂内西側の12畳スペースは、座禅堂としても使います。仕切りの引き戸は、隣接している9畳の納戸に引き込みができます。普段、単ははね上げて、壁に収納しておける仕組みです。
  • 本堂屋根の一部にはガラス瓦が葺いてあり、天井の4か所から光が差し込みます。堂内中央の採光窓には、狩野探幽が描いた龍の絵をエッチングし、彩色を施したガラスが嵌めこまれています。
  • 大玄関は本堂と客殿をつなぐ廊下に面しています。
  • 旧本堂を解体し、棟の鯱と唐破風を活かし取りしました。思いのほか傷みが激しいことがわかりました。
  • 鉄筋のしっかり入った頑強な基礎を造りました。
  • 彫刻類の絵様は全て、オリジナルで原寸を描きました。
  • 住職、副住職と建設委員の皆様に岐阜県まで足を運んでもらい、木材をご覧いただきました。
  • 桧、杉、松と国産材をふんだんに使って組み上げました。
  • 檀家の皆様と建設関係者が参集し、上棟式が厳修されました。

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