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2017.1.20

耐震性と境内有効活用!鉄骨造本堂が増えています。

2017.1.20

Category: 本堂新築

最近、鉄骨造のお寺を設計することが増えています。

現在、全伽藍の設計を進めているお寺の住職は、間口7.5間×奥行9間の本堂を希望されています。
 
「本堂の中に壁を造らないでください。それに、境内を有効に使いたいから間取りはコンパクトにしてほしい。渡り廊下は必要ありません」

「わかりました。しかし・・・ご希望通りの本堂を造ると、地震に弱くなりますし、屋根に谷がたくさんできるので、雨漏りが心配です。鉄骨造にしてはいかがですか?」

「えっ!鉄骨造!?」

そこで、パース(透視図)を描いて、お見せしました。
「木造と変わらないじゃないですか!」
 
外観も伝統的なデザインをお望みなら、入母屋造りから寄棟造り・・・木造と同じような軒反りも実現します。

最近は、建築基準法も木造に対して寛大になってきました。

例え、境内が準防火地域に指定されている地域にあっても・・・
一定の基準を満たせば、化粧垂木に木材を使ったり、軒裏に木の板を張ることも可能です。

国は木材の使用を推進しています。木材が余っているのですから、当然です。

しかし、このような鉄骨造本堂を造るためには、特殊な技術を必要とします。

宮大工の力だけでは、とても実現しません。優秀な技術を持った鉄骨工場、伽藍建築に長けた現場監督、そして、総指揮をする設計士の存在が必要です。
 
写真は、原寸検査をしているところです。

入母屋造りの屋根なら、設計図に基づいて、宮大工が屋根の反り、軒反り、破風の形を原寸で描きます。

それを設計士と相談しながらより、きれいな線に直します。

次は、その曲線に従い、鉄骨工場は鉄骨を加工し、瓦屋は瓦を焼きます。その調整をするのが現場監督です。
 
写真は、軒裏の垂木を取り付けているところです。

施工方法は、まったく木造と変わりません。

使っている木材も無垢材です。

ここまで手をかけると、工事費は木造とさほど変わりません。

しかし、木造に比べ・・・
本堂の中に壁がなくても、耐震性の高い大空間が得られる。
間取りがコンパクトになるので、境内が有効に活用できるというメリットがあります。

弊社では、
木造だけでなく、鉄骨造、鉄筋コンクリート造でも、
伝統的なデザインから現代的なデザインまで・・・アイデア満載のこれからのお寺を提案しております。
所長 菅野良司

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