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2018.1.16

愛知県の真宗寺院 築80年の庫裡を耐震改修、只今設計中。

2018.1.16

Category: 耐震補強

愛知県の真宗寺院から、庫裡の耐震改修のご相談を受けました。
早速、お寺へ伺うと・・・
「使い勝手がわるいので、間取りを大幅に変えたいんです。耐震補強と改修は可能でしょうか?」

庫裡は築80年で、床面積は約277㎡(84坪)、いぶし瓦葺きの切妻屋根の建物です。

2階建てに見えますが・・・
2階の天井を低く抑えた、この地方独特の凸造りです。
 
耐震診断は・・・
先ず、丸一日をかけて、建物の隅々までしっかり調査します。
次に、調査結果に基づき、現況図の作成、耐震診断。さらに、お客様の要望を叶える間取りと、予算内で最適な補強方法もご提案します。

「ただ、作業には25万円と約1か月の時間が必要ですがよろしいですか」
「了解しました。早速おねがいします」住職より耐震診断の依頼を受けました。
 
現況調査では、間取りや柱の倒れ・床の不陸の実測だけでなく・・・小屋裏や床下など、普段は目にしないところも詳細に調査します。

埃まみれになりながら・・・構造を解明し、不良個所をみつけていきます。

この建物では、2階の隅柱の直下に柱がなかったり、梁の掛け方が不自然だったり、細い柱に鉄骨の梁が接続されていたり・・・
構造的に危険なところが多数見つかりました。

耐震改修では、先ず、こういった点を改善する必要があります。

机上の計算だけでは、いくら補強をしても効果が発揮できません。

現況調査は、見落としのないように、細心の注意を払いながら行わなければいけません。

 

 

 
調査から約1か月後・・・
現況図・柱傾斜図、床不陸図及び、診断結果・補強方法の提案を耐震診断報告書としてまとめ、お寺へお持ちしました。

内容を住職と副住職に説明しました。
「よくわかりました。でも、間取りは少し変更してほしいのですが・・・」

早速、打ち合わせが始まりました。その場でスケッチを描きながら意見を出し合い・・・形が見えてきました。

「引き続き設計も依頼しますので・・・この方向で進めてください」「ありがとうございます」


本堂・大玄関・書院は20年前に整備工事を行ったそうです。
「それまでは、木造建築にほとんど興味がなかったんです。でも、大工さんに、いちから教えてもらううちに愛着がわいてきて・・・」と住職。
改めて、書院を見せてもらうと、とても手の込んだ造作になっています。素晴らしい大工に恵まれたようです。

庫裡の耐震改修は、難易度の高い設計、工事になりそうですが・・・負けてはいられません。
春の着工に向けて、現在、設計を進めています。
    リーダー 伊藤

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