設計行脚設計行脚

2018.9.25

滋賀県 真宗大谷派寺院の本堂を耐震診断。消費税8%のうちに補強工事を

2018.9.25

Category: 耐震補強

滋賀県の真宗大谷派寺院から・・・
「本堂の屋根の葺き替えを考えているんですが・・・耐震をしっかりしてから葺き替えたいんですよ。耐震改修が必要なのか?工事金額はどのくらいかかるのか?知りたいんです」
4月の中旬、相談の電話が入りました。

菅野がお寺へ伺うと、建設委員会は既に立ち上がっているとのこと。
早速、本堂を見せてもらい・・・

建設委員会で、耐震診断や改修の方法を説明した結果・・・耐震診断の依頼を受けました。

本堂は築300年以上で、文化財級の木造建築です。

広さは、母屋部分が京間で間口9間×奥行9間。外周に広縁と落縁が廻り、その全てが入母屋屋根で覆われています。屋根の面積はなんと350坪!堂々たる伽藍です。

また、堂内の虹梁、組み物の細工も秀逸です。

調査は、川島、長岡、津田(7月末で退職)と4人で、2日に渡って行いました。
 
屋根の軒先は、7m近くの高さがあります。梯子で登るのは危険なため、足場を組んでもらいました。

いぶし瓦はかなり古いもので、大判で深切型が使われています。

また、「いぶし瓦」ではなく、釉薬のかかった「越前瓦」が葺いてある所もありました。

屋根をより詳しく調べ、葺き替え工事の費用を算出する必要がありますが・・・棟が高く、勾配も急なので、今回は、瓦葺き師の協力を仰ぎました。

本堂内の天井も当然高く、外陣の天井高が5.75m!長さ5mの梯子を使って、やっと小屋裏に登れます。

本堂の小屋裏の調査は通常なら半日ですが・・・丸1日かけても終わりませんでした。

屋根を支える小屋組は、曲がりくねった豪快な丸太が巧みに組み合わされています。

丸太梁は太いので、その上を容易に立って歩けます。

初回の調査から一週間後に、2回目の調査を行いました。

初回の調査結果を図面化した上で2回目の調査を行ったほうが、より効率が上がると考えたからです。

耐震診断は、土壁の粘りを生かす「限界耐力計算法」で行いました。

境内の地盤増幅率が低いことも幸いし、格子壁をバランスよく配置して、土壁の新設を抑えた耐震補強案を考えることが出来ました。


7月末とお盆明けに、お寺で行われた建設委員会へ伺い、本堂の傷み具合と耐震診断の結果を報告し、補強案と概算工事費を説明しました。

そして今月の中旬・・・
耐震補強工事を進めることになったので、設計を依頼したい旨の連絡を受けました。

ただ、消費税が8%のうちに・・・という条件付きなので、来年の3月末までに工事契約を締結する必要があります。ちょっと厳しいスケジュールですが、頑張ります。
リーダー 東松泰志


 

記事一覧