完成ギャラリー

木造伽藍木造伽藍

真宗大谷派 浄賢寺 本堂改修及び書院・庫裡新築

「ご本堂の耐震補強を行なうため、建設委員会を設け、複数の建築会社に見積もりをしてもらったんですが…。出てきた工事金額があまりにも違うので、どこが正しいのか?どこに頼めばいいのか?わからなくなって…結局、計画自体が頓挫してしまったんです。」と住職。
そこで、お寺の実績が多い設計士を探し、弊社に声をかけていただきました。それが平成18年、夏のこと。
その後は、耐震補強の設計そして工事へと順調に進み、完成が見えてきた平成21年の11月3日…。あろうことか、隣の寺が放火にあい、木造平屋建ての書院・庫裡が類焼で全焼してしまいました。この不幸を受け、しばらく工事は中断しましたが、結局、書院・庫裡の再建という事業に発展。この度、全工事が完成しました。
  • ■名古屋市
  • ■木造平屋建(書院)、鉄骨造2階建(庫裡)
  • ■床面積/書院 103.77平方メートル (31.4坪)、庫裡 226.69平方メートル(66.8坪)
  • ■2012年竣工

ご住職に聞くお客様の声

  • 築百年以上のケヤキ造り、間口7間の木造本堂を耐震改修しました。基礎を造り、壁を補強改修し小屋組みを矯正。瓦を葺き替え、外壁をお化粧、これを機に破風板も新調しました。波打っていた軒先はピンと跳ね上がり、優雅な姿が蘇りました。
  • 夜になると、向拝柱がライトアップされ、唐破風玄関の軒下が明るく輝きます。こんな照明も本堂を魅力的に見せる工夫です。
  • 柱の傾きを矯正した結果、堂内には安定感を感じるようになりました。天井の照明は全て埋め込みにして、すっきり。畳の下には床暖房が完備。冬のお参りも快適になったと好評です。
  • 内陣、余間は漆を塗りなおし、壁の金箔は押し直しました。その結果、神々しいばかり。長押の中に照明を仕込み、垂れ壁を鈍く光らせるアイデアも、その効果に一役買っています。
  • 本堂後ろの道路幅が2mと狭かったため、建築基準法の規制に従い、曳き家工事を行い、1.5m前面に移動しました。
  • 本堂はジャッキアップして、鉄筋コンクリート造の基礎を造りました。
  • 屋根裏の小屋丸太を鉄骨で補強しました。水平構面を固めると、耐震力が向上します。
  • 改修前の本堂は板壁だったので、筋交いによる補強を選択しました。
  • 唐破風屋根の大玄関を入ると12畳の板張りの間。窓の向こうに中庭が見えます。花頭で枠取った飾棚がお寺らしい。天井は屋根の形状を利用した船底型。このホールの左が本堂、右が客殿の玄関ホールにつながっています。
  • 客殿玄関を入ると16畳大のホールがあります。床には清潔感のあるメープルのフローリングを張りました。応接や受付と多目的に使えます。左側が客殿、右側が大玄関。手前は書院に続いています
  • 客殿は、10畳と12.5畳続きの和室です。ただ、椅子式で利用します。壁に塗った淡い土壁がお洒落です。「和風旅館のようだね。と皆さん褒められますよ」と住職もお気に入りの様子。
  • 客殿に隣接して12畳の配膳室を設けました。中央には配膳台を造り付け、引き出しや収納も充実です。ガスコンロは業務用を使用。壁一面には、システムキッチンの大容量カップボードを組み込みました。
  • 書院と本堂の間には28畳大の中庭を設けました。畳廊下にして中庭側に背の低い手すり。天井は化粧軒天と純和風のデザインです。障子を開けると、書院です。
  • 書院は8畳×2+10畳+6畳の広さです。欄間は筬欄間と、梅の透かし彫りをいれました。
  • 4.5畳の茶室を造りました。貴人口は1.5m、平天井は2.1mの高さ。蹴込み天井、皮つき赤松丸太の床柱…しかし、決して高価な材料は使用していません。

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