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2020.8.25

熊本県が全国初!「限界耐力計算法」による伝統構法の住宅の設計指針を発表(福田)

2020.8.25

Category: 耐震補強

土壁の粘りを生かす伝統構法建築物の設計には『限界耐力計算』が最も適しています。

この計算法は、建築基準法で認められている構造計算方法の一つです。




しかし、伝統構法の設計には公的な指針がありません。
そのため、一般の建築士が、今まで手がけたことのない限界耐力計算と構造適合性判定を伴う建築確認申請にいきなり対応するのは困難です。


そこで、地域産材の活用や地域産業の活性化にもつながる伝統構法を支援するため、
2020年3月、熊本県が、住宅の限界耐力計算による設計指針を作成しました。

全国初の画期的な取り組みです。

その名も『くまもと型伝統構法』





県のホームページによると、指針を適用できる伝統構法の住宅は、
・2階建て以下
・延床面積500㎡以下
・985mm以下のモジュールの整形プラン
・通し柱150mm角以上
・構造材は県産材
などとし、あらかじめ限界耐力計算で安全性を確認した仕様に限定しているようです。
また、『くまもと型』では、専用の計算ソフトも用意されており、取っつきやすくなっています。


価値ある伝統構法建築物を残すため、そのハードルを下げる意味ある取り組みだと評価できます。

 

ちなみに菅野企画設計では、
古民家や歴史を刻んだ寺院建築の耐震補強の設計に「限界耐力計算法」を採用しています。

また、火事で焼失した岐阜県多治見市の虎渓山 永保寺本堂・庫裡新築は「限界耐力計算法」を使って伝統構法で再建しました。

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